2014年6月4日水曜日

SAP Fiori とは

去年に書きましたが、HTML5で出来た新しいSAPのUXです。UIでなくUXとしているのは、単純に今までのSAPのERPのトランザクションをそのままHTML5に置き換えたわけではなく、ユーザ観点で操作性を再考してリリースすることにしたからなようです(デザインシンキングで何回もブラッシュアップしたらしいです)。もともとワークフロー系の新しいUXとして開発されていたようで、当初は経費精算やタイムシートの承認アプリしかありませんでしたが、申請系も増えてきたようです。
で、先ほど sapphire にて発表がありましたが、SAP Fiori が free (既存ライセンスに含まれる) ようになるみたいですね。"simple化"の一貫と。ただ、疑問に思うのは、これを使うためのコストです。

  • Add-onパッケージを色々いれないといけませんし、前提SPは比較的低いものも多いようですが、カスタマイズもそれなりに必要だったりします。
  • またそれに伴う現行システムの入力方法/使い方が多少なりとも変わるので、ユーザ教育して運用に手を入れないといけなくなります。
  • クライアント側やネットワークにも注意です。HTML5(w/JS)の実行エンジンはクライアント側(PCやiPadのWebブラウザ)で、UXに凝っているためそれなりに負荷かかります。またネットワーク帯域はSAPGUIのときよりも少し多く使うようですし、何よりInternetに接続させるのであれはセキュリティに注意しなければいけません。
ここらへんを考えてまで導入に踏み切れるかどうか。あくまで従業員向けのソリューションであり、「得意先が利用して売り上げを向上させる」ようなものでは残念ながらありません。「UXで従業員の生産性が上がる」といっても、既存ERPのユーザでSAPGUIに慣れているのであれば、どこまでいったい生産性が上がるのか、懐疑的です。
個人的には、どちらかというと新規導入のお客様やHANAに移行するお客様で、「どーんと色々変えてしまいましょう。UXも最新のもの導入しましょう」というのが良い気がします。

技術的に詳しい内容は以下に出ています。
http://help.sap.com/fiori_bs2013


0 件のコメント:

コメントを投稿